ロッドに使われているnanoalloyとはどんな技術なのか?

釣り
広告

こんにちは。
t-助です。

予約していたバンタムのロッドが着弾しました!

番手は168ML+-G/2。グラスコンポジットな逆ワン&ハーフのロッドです。

このロッドのレビューはまたフィールドで使ってからするとして…このロッドについていたタグにこのようなものを発見↓

nanoalloy…”なのあろい”・・・?聞いたことないな。。。

…というわけで、今回はこのnanoalloyの技術について調べてみたので、ご紹介しようと思います。

なお、私は理系とは言え、単なるしがないシステムエンジニアで、学生時代も気象学、海洋工学、流体力学なんかが専門だったので、材料科学となると完全な専門外です。高校化学レベルの知識しかないです。

余談ですが、大学の教養科目で他学部の授業を取らないといけなかったのですが、有機化学を受講し、痛い目にあった(笑)
なお結局、その教養科目は農学部の学内に生えている木を観察するという授業を取って、実際に外に出ての観察だったので、非常にそれは楽しかった覚えがあります。男女比的にも理学部や工学部より楽しかった(おいっ!)

というわけで、材料科学は全く知らないレベルで、大変恐縮ではございますが、その点はご承知おきを。。。

Contents

nanoalloyとは何か

nano(10^-9)+alloy(合金)を合わせた言葉のようで、東レさんの技術のです。
100万分の1メートル(10^-6)レベルのalloyでは実現できなかった高分子材料の高性能化、高機能化を可能にする技術とのこと。
で、この技術のどこがすごいかというと、普通はポリマーを混合する際、自発的に集合していく自己組織化という作用が働くが、それを抑制できるという事。それにより、より細かに整列させることができる構造になっているという事のようです。
10^-6メートルのオーダーのalloyの場合だと、それぞれの素材の特性を十分に活かせるものではなかったのですが、これを10^-9メートルのオーダーにすることで、それぞれの素材の特性を最大限に活かせるようになるとのことです。
ロッドって高弾性カーボン、低弾性カーボンという2つの素材の掛け合わせでできているので、この技術をしっかり使える分野なのかな…と思ったりしました。

nanoalloyを用いたロッドのメリット

そういうわけで、このnanoalloyの技術をを用いることで、どうロッドに影響するのか見ていきます。

耐衝撃性の向上

例えば、軟らかいが衝撃に強いものと硬いが衝撃に弱いものを合わせることを考えると、これまでのアロイ技術では硬くしてしまうと強い衝撃を受けると、破断されてしまっていたようなものも、このnanoalloyでは硬さを担保しつつも、柔軟に変形し、衝撃を吸収する特性を持っているとのこと。
つまりこれをロッドに用いることで、鬼アワをしてもいきなり魚に走られても、また、キャスティングの際に木なんかにぶつけてしまったとしても、今までのものより折れにくくなっているという事でないかと思います。
どれくらい耐衝撃性が向上するかは多分、それぞれの素材の配分に依るだろうし、その配分というのは結局、最初はシミュレーションで、最終的には実証実験によるものなんだろうけれど…。

曲げ強度

これも同様の理由で、靭性(じんせい:素材の粘り強さのこと)を確保しつつ、弾性率(だんせい:曲がりにくさ)も確保するという事ができると。もうすこしわかりやすく書くと、ねじりの強さを維持したまま曲げ強度を向上させることができるという事でないかと思います。

具体的には強度が13%向上し、弾性率が10%向上したようです。

なお、この辺の数値の話は、東レさんのHPのプリプレグという項を参照しました。

東レの素材 | NANOALLOY® | TORAY
東レ株式会社のNANOALLOY®についてご紹介します。

ロッドの設計って難しそう

ここまでの話、この技術は具体的に何やってるのかは論文見ないとダメでしょうがどういうことができるかは、なるほどね…という感じです。

要はこの技術を使うことで、従来と同じようにやると耐衝撃性や曲げ強度をさらに強くすることができる。さらに従来の強度を保ちつつ、カーボンシートを薄くして、ロッドを軽くすることもできるわけですね。

で、シマノさんのサイトを見ると…しれっと書いてありました。
スパイラルコアXのところに…

ナノアロイ®テクノロジーにより実現した高強度樹脂を用いたカーボンテープを使用。

http://fishing.shimano.co.jp/product/s/technology/rod/spiral-x-core.html

つまり、スパイラルコアXが搭載されている、これまで持っていたワールドシャウラ1651FF-3なんかにもこのnanoalloy素材だった…と^^;

で、調べたところスパイラルコアXが搭載されているバス釣りに使えるロッドは、ワールドシャウラ、バンタム、ポイズンアドレナ、ポイズンアルティマ、ポイズングロリアス…と言う感じですね。残念ながらスコーピオンにはついていません。。。
そう考えると、ポイズンアドレナは破格。ただ、ポイズン○○、バンタム(ワン&ハーフ、逆ワン&ハーフを除く)は、基本ワンピース&センターカットのツーピースなので、単一素材と考えられますね。

よくこの業界の事はわからないのですが、素材の会社の方で、配合を変えたさらに厚いものから薄いものまで、どれを製品にするかはシミュレーションではある程度まで絞って、実際に実験して絞って決めていく。そこからさらに釣り具メーカーの方で、そのカタログスペックから候補を絞り込んで、実際のロッドにしてみて絞る的な感じなのですかね。

それでもカタログから選ぶのがメインとは言え、いろいろな組み合わせが考えられそうなので、nanoalloyのカーボンを使って、ロッドを作ることも難しいのかもしれないなという印象。さらにワン&ハーフのロッドってやはり作るの大変だったよね…きっと。。。
…というのが、つなぎ目で素材の配分変えているはずで…nanoalloyと普通のalloyも含めて結局、自由度が高い分、単純計算でさらに単にnanoalloyを普通のロッドの2乗分手間がかかっているはずですよね^^;
私の今回買ったバンタム(逆ワン&ハーフ)もそうだし、これはワールドシャウラもそうなんだろうけど。
なんか、小さなメーカーとかだとそんなことできる人的リソースも足りないだろうし、そもそもシマノやダイワくらいしか、ここまでのことできないだろうな・・・とも思ったり。
やはり、ロッド買うならシマノかダイワなのかな…。

最後に

今回はシマノのスパイラルコアX搭載のロッドで用いられている、nanoalloy素材書きました。
結局、nanoalloyとは端的に言うと元の素材の特性を最大限に生かした合成素材を作ることができる技術という事でした。これまでの靭性と弾性率、硬さと破断強度はトレードオフな形であったが、それを両立させた素材を作ることができるようになった。
で、結局それでどんな良いロッドができるかというと、以下の二点でした。

  • 耐衝撃性の高いロッド
  • 曲げ強度の高いロッド

これらはそれぞれの素材の組み合わせや配合率とかのパラメータがあるだろうし自由度が上がった分、ロッドに使うとどれが本当に良いかを確かめるのにものすごく手間がかかりそう。さらにつなぎ目部分で素材を変えているであろう、ワン&ハーフのロッドは非常に手間がかかりそう。こんなのはシマノかダイワでないと人的リソース的にも作ることができないのではないか。

…とこんな感じの事を書きました。

ロッドって結構難しいんですね…(今更)

スパイラルコアX搭載で、つなぎ目で素材を変えているワールドシャウラをあの値段で買出せるって、破格なのかもしれないと思い始めました。

なお、今回買ったバンタムの168ML+-G/2は次回釣行時に使ってみる予定です。使ってみてからレビューしていきたいと思いますので、こうご期待!

とりあえず、続きます。。。

コメント

タイトルとURLをコピーしました